扇子・うちわとわたし
新内枝幸太夫
桧扇  この業界に入りましたのは1972年のことですから、かれこれ30年近く「和」の伝統にはまっております。ほとんどの時間は和服ですし、三味線を持っていない時はまず扇子を持っていますね。自ら新内を披露するときはもちろん、例えば「洋もの」の催事にゲストとして呼ばれるときも、私は「和のイメージ」で呼ばれますので、扇子はもっともそれを表現できる演出だと思っています。私生活でもずっと一緒で、今やクーラーの冷えもこたえる年齢になってしまいまして、扇子の風と風鈴の音でもあれば夏はそれが一番幸せです。もともと、上品な生活でないので、大口を開けて笑う顔を隠すツールでもあります。
 仕事にも、生活にも、おしゃれにも、必要なもの、私にとって扇子は体の一部ですね。
(プロフィール)
新内浄瑠璃師匠。京都府船井郡出身。
人情の伝統芸能「新内」の心を伝え、全国に稽古場、弟子を持つ。
落語、シャンソン、コシノヒロコファッションショーとのジョイントなど独特の世界を繰り広げる。